『箱根板橋日記』毎週火曜更新|長嶺 俊也 Nagamine, Shunya デザイナー 1979年生まれ         


by nagamineshunya

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

最新の記事

 第70回 「さて、最終回。..
at 2014-04-15 20:04
第69回 「無印家電と男と昭..
at 2014-04-08 20:31
第68回 「国家予算規模のお..
at 2014-04-02 19:57
第67回 「お墓のデザイン」..
at 2014-03-25 18:25
第66回 「お墓参り教のスス..
at 2014-03-18 21:13

カテゴリ

全体
箱根板橋日記
未分類

関連

以前の記事

2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月

フォロー中のブログ

ニューヨークの遊び方
パリときどきバブー  f...
ばーさんがじーさんに作る食卓
ベルリン中央駅
フィレンツェ田舎生活便り2
犬とご飯と雑貨。
勇気リン凜

最新のトラックバック

検索

その他のジャンル

ブログパーツ

外部リンク

ファン

画像一覧

第10回 「ごはんの家来」 2013年2月19日

 普段だらしのない酒浸りの人生をおくっていると、たまに炊きたてツヤツヤのまっしろいごはんが無性に食べたくなる。

 そんな時はおかずはいらない。味噌汁もいらない。

 こんな時のために、日本には「ごはんのお供」というものがある。これは、純粋に「ごはん」というものを楽しむためのごはんの家来みたいなものだ。

 ごはんのお供で東日本の人間がまず鮮烈にイメージするのは、なんといっても納豆だろう。強烈な個性に類いまれなる求心力、そのカリスマ性は他の「お供」たちの追随を許さない。ごはんからの信頼も抜群だ(たぶん)。

 しばらく食べていないとあの臭いと味が脳内に信号で送られて来て、いてもたってもいられなくなる。

 一度中毒になってしまえば、どんな薄命の美人でも三日に一回は人目を忍んであの臭い豆を食べざるをえなくなるという世界でももっともヤクザな食べ物のひとつだが、やはり白いごはんにはこれだろう。

 納豆の正しい食べ方(正しくは混ぜ方)は、まず何も入れずに混ぜる事。

 面倒だからと先に醤油や芥子を入れてから一気にかき混ぜるやり方だと、納豆の風味がとんでしまう。これは漫画『美味しんぼ』の中で、山岡史郎氏がそのことについて明言している。

 混ぜる回数だが、まず右回りに100回、左回りに45回。あまりムキになって早く混ぜすぎると摩擦熱が納豆に伝わり味が変わってしまうので要注意だ。

 それから醤油や芥子や付属のタレなんかを加えてさらに右へ50回左に20回。この時は納豆に空気を含ませるようにエアリーにかき混ぜる。

 そして肝心なのは、混ぜ終わったあと、すぐに食べずにしばらく置いておく事。 これは、『シーナとショージの発奮忘食対談』(文春文庫)の中で東海林さだおさんが披露していて、理由は「かき回されて納豆が興奮してる」から。それを鎮静させてから食べるのが「正しい」ようだ。

 置いておく時間は10分とあるがいくらなんでもそんなに待てないだろうから、ここでは各自様子を見ながら醤油が豆にうまくまとわりついてしみ込んできた、良きところでとしたい。

 お二人の対談ではさらに食べ方の作法からシチュエーションにまで言及されているのだが、それはまた次の機会に紹介したいと思う。

 余談だが納豆のタレを付属した事は、間違いなく現代納豆界にとってエポックメーキングな出来事だったと思う。

 子どもの頃あれが付属されるようになった時、この新参者をみんながこぞって使いはじめたことに、あまのじゃくの僕は「ふんっ」て思って絶対に使わなかった。

 しかし、ある日ひとりで納豆ごはんを食べる準備をしていた時に、退屈な気分を持て余していたのか醤油が切れていたのかは忘れてしまったが、入れてみてビックリ。思わず、「こんなにウマくなるのかっ!」と、ひとりで叫んだくらいだ。それからは欠かさずに使うようにしている。

 豆は遺伝子組み換えでない国産の小粒(極小粒じゃない所にこだわっている)、味つけは、醤油普通、芥子多め、タレ有りというのが僕のスタンダードで、刻んだ葱は入れない。理由は葱の香りが強すぎて納豆及びごはんの香りの邪魔をするから。

 僕は蕎麦のつゆにも葱は入れない。なんとなく慣習のように山葵や海苔なんかと一緒につゆのふた兼小皿みたいなやつに乗って出て来るけど、そもそもそんな決まりはないはずだし、一切れでも食べたら最後、口の中が葱臭くなって蕎麦の香りもへったくれもない。あれを入れる人は、つまるところ葱が食いたいのだろうなと思って一人納得している。

 あれま、最後に話がそれてしまった。

[PR]
by nagamineshunya | 2013-02-19 10:52 | 箱根板橋日記