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『箱根板橋日記』毎週火曜更新|長嶺 俊也 Nagamine, Shunya デザイナー 1979年生まれ         


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第29回 「ラーメン屋の作法」 2013年7月2日

 幸せな人生には何が必要か。

 それは、家の近所にうまいラーメン屋がある事である。

 味については、いちいち何系だ、何麺だ、などと野暮なことは言わないが、とにかく自分がうまいと思うラーメン屋が近所にあるかないかというのは、その人の一生がシアワセなものになるかどうか、非常に論理的かつ確率的に重要なことなのである。

 なんとなく今回もかなりどうでもいい話になりそうだが、かまわず続けてみよう。

 少々飲み過ぎた二日酔いの日など、体調が回復してきた昼頃に、無性にラーメンが食べたくなってくる。

 そんな時に、近所に自分の好きなラーメン屋があれば、うまく仕事の合間が昼ごろになるよう調整して、ちょっとサンダルをひっかけてラーメン屋まで、というのが可能なのだ。あの時の一口目のスープがうまいんだよなぁ。

 
 ラーメン屋にはチケット制のところと、店員が注文を取りに来てくれるところがあるのだが、ぼくは、チケット制はどうもシステマチックで好きになれない。

 カウンターにチケット置いて、品物が運ばれて来るのを待っていると、自分の金で食べているのに、なんだか配給を待っているような気分になるのもあまり気分がよくない。

 だから、僕はもっぱら店員が注文を取りに来てくれるお店に行くことが多い。

 しかし、最近はチケット制のお店が増えたせいか、そういういわゆる一般のラーメン屋での注文の仕方がなっていない人が多い。

 こういうラーメン屋の場合、客は暖簾をくぐる前にすでに注文を決めておかなければならない。

 店内に入って、席に尻をつけてから壁に貼ってある短冊メニューをぐるっと舐め回し、いかにも集中力がなさそうな仕草で卓上メニューをちょびっと触ってみたり、また店内を眺めてみたり、時には隣の席の食っているものを首を伸ばして覗き見したりしているようなオジサンがいるが、ああいうのはイケナイのです。

 男というものは、ラーメン屋に行くと決めた時には、すでに「よし、今日は味噌チャーシューにするぞ。誰になんと言われても俺は味噌チャーシューだ!」と、自身の目的を明確に持ち、店内に入って店員と目が合ったら即座に「味噌チャーシュー一つ!」と、簡潔かつ明瞭な発音でスバヤク注文しなければならない。

 もし席に着くまでに店員と目が合わなかった場合は、店員を捜してキョロキョロとうろたえたりせずに、店員が水を運んで来るのをまち、水の入ったコップをテーブルに置くのと同時にスバヤク注文するのが好ましい。

 店員が水を運んで来てもまだ注文が決まっておらず、その後に「スミマセーン」などと、遠慮がちを装ったマヌケ声でかなり強引に自分の席のところまで店員をわざわざ呼びつけるオジサンがいるが、そんなの席から「味噌チャーシュー一つね!」と、闊達に厨房に向かって叫べばいいのである。

 この手のオジサンに限って、やっと注文したと思ったら、しばらくしたらいきなりなんだかモジモジと焦りだし、小ちゃく手なんかあげたりして、店員がそれに気付くと、「あ、ごめん。さっきの醤油に変えられるぅ?」などと、言ったりするのである。バーロー、お前は醤油飲んでろ。


 また、最近増えてるのがメニューに書いてないことを、堂々と発注する輩である。

 やれ、麺を堅めにしろだ柔らかめにしろだ、野菜ラーメンは味噌で作れるか、ニンニクは抜いてくれだの、モヤシを増やせだの、一体お前は何様なのだ。

 やり取りを見ているとどうも一見のようで、どうやらこれも昨今流行のラーメン屋のスタイルをそのまま他の店でも通しているようだが、まったくいい迷惑である。

 客になったからって、人間いきなりそんなにエラくなるものではないのだから、メニューからおとなしく選べ、なのである。


 ここまで来たらついでだから言ってしまうが、客として一番バカヤローなのが、色々なラーメン屋を食べ歩いて、イッチョマエに「味」についてブログなんかに書いたりする輩だ。

 こういうやつらは、なんの実績もない素人のくせにラーメンの味について主観で語り、あくまで個人的意見ですと前置きすればなんでも許されると思ってる勘違いヤローなのだ。

 しかも、おしなべてコミュニケーション能力も低いので、実際に店主に話を聞いたりせずに自分の推測だけで、材料や、作り方などを、なぜか断言的な書き方をしたりするから怖い。

 実際に、知り合いのラーメン屋もまったく知らない間に記事にされ、チャーシューに使っている肉の部位も、作り方も間違って書かれていた。

 他にも、覆面調査気取ったバカや、ミシュラン気取りで勝手に「★」をつけてるアホなど、きりがない。

 まったく、ちょっと色々な店でラーメンを人より多く食べているくらいで、どうしたらその道の専門家気取りが出来るのか理解に苦しむが、料理人に敬意のない人間は、ラーメンが好きだろうがなんだろうが、そんなものに何の権利もないので、こういう行為はすぐさま止めてほしい。

 もちろん、お店に敬意を払った上でラーメンブログやっている人もいるが、そういう人はまず匿名で書いたりしない。

 前述した人たちは、ぼくが見た限り全員匿名。

 やはりこういう問題の根本はネットの匿名性というところにあり、ネット文化が長くなって来た分、だいぶ自分を見失っている人も増えてきたようだが、それによって被害を受けている人がいる事もわかってほしいものだ。

by nagamineshunya | 2013-07-02 12:26 | 箱根板橋日記