『箱根板橋日記』毎週火曜更新|長嶺 俊也 Nagamine, Shunya デザイナー 1979年生まれ         


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第35回 「ほんとうの風の民」 2013年8月13日

 あぢい。あづい。あぬい。

 今年の夏の野郎はとにかくイキナリに乱暴にメタ糞に容赦なくキッチリ玉をとりにきやがった

 あっ、すみません。冒頭からいきなり言葉が乱れてしまいました。

 でもよぉ、こんだけ暑いとそりゃ言葉も頭も乱れちゃうわよ。もう、やってられないわよ。


 ここの所で事務所兼住居の引っ越をした。

 引っ越した先の事務所スペースは、二階の三部屋をつなげて使うことにした。

 立地は角地ではないのだが、隣が割と広い駐車場に面していて、裏には平屋が並んでいるので二階の高さになると三方がひらけている。

 窓もその三面全てにあって風通しはすこぶるいいのだが、いわゆる三面採光ですこぶる日当りもいい。まぁ、つまりすこぶる暑いのよ。

 しかも二階にはエアコンがない。なぜだ。

 家の前には、箱根からの綺麗な水が流れる用水路があるので、外の風は涼しいのだが室内はもうダメ。狭くて天井の低い部屋にパソコン二台と大型複合機に人間二人が入ったら、窓から入って来てくれるそんなカワイイそよ風ちゃんなんてまったく太刀打ちできず、まさにどこ吹く風。

 そんな状況で扇風機なんかまわしても、熱風の固まりがぶつかってくるだけで、不快以外の何ものでもないのだ。

 
 毎年この時期になると思い出すのは、妻と新婚旅行で行ったベトナムの夜である。

 まぁ、新婚旅行は大体妻と行くもんか。

 ベトナムは湿度100%という、にわかに理屈では理解出来ないような数値(だってそれってもう水ってことじゃないんですか?)の湿度で、日射しも強いし、気温も高いし、モーヨーヤッテランネーヨ気候なのである。

 そんな中でも女たちはまだ元気に働いているが、男たちはダメ。

 家と家の隙間の暗がりで何か動いたなと思ったら、若い男がじっと座ってたりする。

 ようは日中は暑くて何もする気にならず、そういう少しでも涼しいところでじっとうずくまっていたりするだけなのだ。

 まあ、現代のベトナムの社会をになう労働力である若者たちはベトナム戦争の影響で幼少期に栄養が足らず少なからず発育に支障があり、いまだに身体が弱い人が多いという理由もあるのだと、コーディネーターが教えてくれた。

 しかし、そうでなくてもこれだけ暑いと何もする気にならない。暗がりでじっとしている気もよくわかる。僕も出来ればそんな自分だけの"穴場"を見つけたいものだ、と思った。

 しかし、あーいう人は日がな一日あーしていて、一体どうやって生活しているのだろうかという根本的な疑問が残ったが、まあ本当に生活とか、夢とか、物欲とか一切合切あらゆることがどうでも良くなるくらいの暑さと湿気なので、たぶん国全体がそういう人でも生きていけるようなシステムになっているのであろう。

 では、そんなところに住むベトナム人たちがただ毎日暑さに蹂躙された生活を送っているかというと、そうではない。

 彼らは日が暮れるとやおら原付バイクにまたがり、一晩中街をぐるぐるとまわり続ける。

 これは国民全員が暴走族というわけではなく、夜になっても暑い、しかし日射しはないのでバイクに乗って走り回っていればいくらかましだということなのだ。

 カンタンに言えば風の代わりに自分が動いて涼をとるという、極めてポジティブかつ積極的な国民なのだ。

 科学技術によって機械で風を作り出すことよりも、自らが風になることを選んだ、彼らこそまさに現代の「風の民」なのであった。 

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by nagamineshunya | 2013-08-13 21:30 | 箱根板橋日記