『箱根板橋日記』毎週火曜更新|長嶺 俊也 Nagamine, Shunya デザイナー 1979年生まれ         


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第61回 「ウォーホルのポスター」 2014年2月11日

 日曜日に、六本木の森美術館に「アンディ・ウォーホル展」を見に行った。

 ウォーホル展を見に行くのは二回目だ。

 一回目は、東京都現代美術館だった。

 あれはいつだったのだろうかと、行く前に調べてみたら、1996年のことだった。

 17年前である。

 そして、「あっ」と思ったのだけれど、僕は今34才なので、ということはその時の僕は17才だったということなのだ。

 今回の森美術館の「アンディ・ウォーホル展」は、森美術館10周年記念展とのことで、国内では今迄で最大級の回顧展であるという。

 現代美術館の時でも相当の数があったように思ったが、それを上回るというので期待していたが、結論から言うと、とても良い展示だった。

 特に、すごくカンタンにだが、「ファクトリー」(ウォーホルのアトリエ)を再現していたのが良かった。
 
 あの再現の適当さは展示としてはアウトだし、あのレベルでやってしまうというのは本来反則ではないかという気もするが、それでも見る側からするとサプライズのようで少し興奮した。

 ああいうテーマパーク的な「演出」も、日本の展覧会を考えると、あっていいのかもしれない。

 「銀の雲」(という作品)の空間も一面大きな窓の部屋で、そこから16時少し前の強い斜光が射し込み、一層乱反射して、54階の東京の街の窓景(森美術館は54階建てのビルの最上階にある)とあいまって、非常にリッチで幻想的な遊びという感じで良かった。

 眼下に広がる東京の街は、ちょうど前の日の大雪が所々まだ白く残り、所々雲の切れ間から射し込んだ光で街全体が光っていた。

 出口前のVTRも簡潔に上手にウォーホルの歴史を見せていながらも、「ウォーホルとはこうだ」という風に答えを出さないという姿勢、そしてそれを展示のラストに持って来たところに、企画者の真摯に向き合う姿勢を感じた。

 その他、バスキアとの共作や、ウォーホルが出演したTDKのCM映像なども流れていたり、硬軟バリエーション豊かで楽しめた。
 
 

 そういえば、東京都現代美術館の話しで思い出したが、アンディ・ウォーホルと同じく、ポップ・アートの旗手として活躍したロイ・リキテンスタインの代表作『ヘア・リボンの少女』を、現代美術館が開館する時に収蔵品として購入した際、「漫画みたいな絵を税金で買うなんて何事だ」という話しが都議会や世間をにぎわせた。

 相場より高く買ったとか(約6億円)、税金の使い方についての理由もあったとする話しもあるようだが(あくまで憶測)、結局は世間をにぎわせた「漫画みたいな絵」という言葉が象徴するように、当時の日本では一般的にはまだ評価されていなかったのだろう。

 アンディ・ウォーホルやポップ・アートに関して今からここで書くにはあまりにも文字数がかかりすぎてしまうので(その内じっくり書いてみたいと思うが)、せっかくの機会、興味のある方はぜひ見に行って体感してみてほしい。


 余談だが、あの日、17才の僕は現代美術館でウォーホルの『Flowers』という作品のポスターを買った。

 一辺が約1メートル程の正方形の、とても大きなポスターで、たしか七千円ぐらいしたと思う。

 金額を憶えている所を見ると、たぶん当時高校生の僕は七千円のポスターを買うことに相当悩んだのではないかと思う。

 今回もまさしく同じポスターが売られていたのでそのことを思い出し懐かしくなって、どれどれと値段を確かめてみたらなんと一万円になっていた。

 下のサイズが七千円となっていたので、僕の記憶違いではなく、やはり値上がりしたようだ。

 去年、サザビーズでウォーホルの『Silver Car Clash』という作品が、美術品としては過去最高額の105億円で落札されたのが影響しているのかもしれない。

 だとしたらあのポスターもヤフオクで、などと邪なことを思いつき、ポスター類をしまってあるガレージを探してみたが、どこにも見当たらなかった。

 高校卒業後、引っ越しを繰り返すうちに紛失してしまったのか、今でも実家のどこかで眠っているのかは定かではないが、僕のサザビーズ計画はあえなく頓挫してしまった。


 高校生の僕は、そのポスターを自分の部屋の天井に張っていた。

 そして、そのウォーホルのポスターは、ポスターとはいえ、僕にとって初めて買った『美術作品』なのであった。

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by nagamineshunya | 2014-02-11 09:25 | 箱根板橋日記